病院で働いている看護師は、次のような悩みを抱えている人が多いのではないでしょうか。
- 夜勤や残業が多くプライベートとの両立が難しい
- 希望通りの休みが取りにくい
- 生死との隣り合わせで常に雰囲気が張り詰めている
- 労働に対する収入が見合っていない
- 人間関係が複雑
やりがいに溢れている仕事であるにも関わらず、疲弊してしまう看護師も少なくありません。
看護師の転職先といえば、クリニックや介護施設などを思い浮かぶかもしれませんが、実はほかにも活躍できる場があります。
病棟勤務を経て、現在は医療健康メディアでライターとして働いている筆者が、看護師の転職について解説します。
転職を成功させるコツは、自分の強みを確認することや希望条件を明確にすることです。
理想の働き方が実現できるよう、転職を成功させましょう。
5つの例も紹介しているので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
- 看護師が転職を成功させるための4つのポイント
- 看護師が転職する際に気を付けるべき4点
- 看護師の転職例を5つ紹介!
- 自分のスキルや経験を振り返り転職を成功させよう
1.看護師が転職を成功させるための4つのポイント
看護師が転職を成功させるためには、次の4つのポイントをおさえる必要があります。
- 自分のスキルや経験を整理する
- 看護師資格を活かせる仕事を探す
- 看護師資格がなくても挑戦できる仕事を探す
- 転職サイトを活用する
それぞれ詳しく解説しましょう。
自分のスキルや経験を整理する
看護師が転職する際は、まず自分のスキルや経験を整理することが重要です。
看護師として培ったスキルはもちろんのこと、看護師以外の経験も含めて振り返りましょう。
たとえば、次のスキルは看護師経験があるからこそだといえます。
- 患者さんと良好なコミュニケーションが取れる
- さまざまな医療関係者と連携できる
- 強い責任感をもって仕事に取り組める
- タスクを漏らさずタイムスケジュールが組める
- 正確で鋭い観察力がある
- 報告、連絡、相談を端的にできる
日々時間に追われながらも、確実に仕事を進めていかなければならない看護師ならではの能力ですね。
また、看護師以外の経験を整理することも、転職成功のカギを握ります。
趣味や学生時代に熱中したこと、妊娠や出産、子育てや介護、結婚や転職といった私生活での経験も、今後のキャリア形成につながるかもしれません。
スキルや経験の棚卸しは、自分の強みを活かせる転職先の発見につながります。
看護師資格を活かせる仕事を探す
看護師が転職する際は、看護師資格を活かせる仕事を探しましょう。
看護師資格は医療や介護現場はもちろんのこと、それ以外でも幅広い分野で役に立ちます。
美容クリニックのような専門分野で働いている看護師、保育園や幼稚園など子どもの健康管理に携わっている看護師もいます。
他にも、企業の健康管理室といった産業保健分野も看護師が活躍できる場です。
リモートワークが進んでいる現在、医療分野の記事を執筆するWebライターとして働いている看護師もいます。
看護師資格を活かせる仕事はたくさんあるので、自分の興味や適性に合わせて探してみましょう。
本記事の後半では、病院以外で看護師として働いている5つの例を紹介しているので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
看護師資格がなくても挑戦できる仕事を探す
看護師が転職を希望する際は、看護師資格がなくても挑戦できる仕事も調べてみましょう。
たとえば、販売職や営業職などコミュニケーション力や接遇の力が求められる仕事は、看護師時代に養ったスキルを活かせるかもしれません。
未経験の分野に挑戦する際は、必要なスキルや資格を確かめて、セミナーや講座を受講することで自分に不足している部分を補う努力が大切です。
未経験でも仕事に対する意欲の高さをアピールすることで、採用担当者の印象に残るでしょう。
転職サイトを活用する
看護師が転職する際は、転職活動で使えるサイトを活用しましょう。
看護師専門の転職サイトでは、看護師経験者向けの求人情報が豊富に掲載されています。
総合転職サイトでは、看護師以外の求人情報も豊富で、より多くの選択肢から求人を探すことが可能です。
転職サイトを利用する際は、自分のスキルや経験、希望条件を詳しく登録することで自分に合った求人に出会えます。
また、転職サイトが提供するキャリアアドバイスや面接対策も積極的に活用しましょう。
プロからのアドバイスにより、自分の強みを確認したうえで転職活動に取り組めます。
看護師から看護師への転職、または他職種への転職を成功させるため、転職サイトを上手に活用しましょう。
2.看護師が転職する際に気を付けるべき4点
看護師が転職を成功させるためには、次の4点に気を付けましょう。
- 転職理由や希望条件を明確にする
- 職場見学で労働環境や人間関係をチェックする
- 転職回数が多い場合は理由を明確にしておく
- 現職を辞めるタイミングをよく考え、しっかりと引き継ぐ
それぞれ詳しく解説します。
転職理由や希望条件を明確にする
看護師の転職を成功させるためには、転職理由や希望条件を明確にすることが重要です。
転職しようと思った理由が労働環境なのか、人間関係なのかなどを分析してみてください。
転職理由を明確にすると、おのずと転職先の希望条件が導き出されます。
たとえば次のような条件を出してみましょう。
- 給与
- 勤務形態
- 通勤時間
- 福利厚生
- 職場の雰囲気
自分にとって重要な項目を洗い出したあと、それぞれに優先順位を付けることで、入職後のミスマッチを防げます。
職場見学で労働環境や人間関係、教育体制をチェックする
職場見学では人間関係や労働環境のチェックが大切です。
現場の雰囲気を肌で感じることは、自分に合う職場かどうか判断する重要な材料になります。
具体的にはスタッフの表情や態度、コミュニケーションの様子に注目しましょう。
労働環境の面では次の点を確認してみてください。
- 残業の有無や夜勤の回数
- 有給休暇の取得状況
- 設備の充実度
- 業務フロー
- 患者数に対する人員配置
これらは入職後の働きやすさに関わる重要な項目です。
また、キャリアアップを目的とした転職の場合、その職場ではどのようなキャリアを描けるのかもチェックが欠かせません。
教育体制や研修制度などを確認し、自分の目指す将来像が実現できそうな職場を選びましょう。
いくつかの視点をもって複数の職場を比較することで、自分に合う職場選びができます。
転職回数が多い場合は理由を明確にしておく
転職回数が多い場合、なぜ転職したのかを明確に説明できるように準備しましょう。
職場によっては、転職回数が多いと良くない印象を持たれるかもしれません。
ただし、キャリアアップや家庭の事情などが理由であれば、必ずしもマイナスなイメージを持たれるわけではありません。
面接の際にこれまでの転職理由を問われることもあるため、たとえネガティブな転職理由だとしても、マイナスなイメージを持たれないように説明できるようにしておきましょう。
ただし事実と大きく異なってはいけません。
現職を辞めるタイミングをよく考え、しっかりと引き継ぐ
看護師の転職では、現職を辞めるタイミングを熟考したりきちんと引き継いだりすることが重要です。
転職先が決まったからといって突然退職すると、同僚や患者さんに影響が及ぶかもしれません。
転職先が決まった際は上司に退職の意思を伝え、引き継ぎ期間を設けてもらいましょう。
業務内容や患者さんの情報を後任者にしっかりと引き継ぎ、最後まで責任を持って仕事に取り組むことが重要です。
良好な関係性を築いておくと、将来的に思わぬところで新たな繋がりが生まれるかもしれません。
きちんと退職の準備を進めることで、今後のキャリア形成にも役に立つことでしょう。
3.看護師の転職例を5つ紹介!
ここでは、看護師の転職例を5つ紹介します。
- 介護施設へ転職
- 美容クリニックへ転職
- 一般企業へ転職
- 保育園や幼稚園などへ転職
- 医療健康分野のWebメディアへ転職
ワークライフバランスの改善や専門的なスキルの獲得、新しいキャリアの開拓など、看護師の転職には多くのメリットがあります。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
例1 病院から介護施設へ転職し働きやすくなった
1つ目は病院から介護施設へ転職し、働きやすくなったケースです。
病院で夜勤や残業が多い環境に疲れてしまった看護師が介護施設へ転職したことで、ワークライフバランスが改善したようです。
介護施設の利用者は、高齢で疾患を抱えている人も多いため、看護師としてのスキルを十分に発揮できます。
夜勤がない施設もあり、プライベートの時間が確保しやすいメリットもあります。
これまでの看護師経験が発揮できる介護施設への転職は、看護師の転職先として注目されています。
例2 美容クリニックへ転職し専門性が身に付いた
2つ目は美容クリニックへ転職し、専門性を身に付けられたケースです。
もともと美容医療に関心があり、いつかは美容医療の分野で働きたいと考えていた看護師が、美容クリニックへ転職したことで好きなことを深められたようです。
美容整形やレーザー治療などの専門的な施術に携わることで、美容医療に特化したスキルの獲得ができます。
患者さんは美に対して悩みを抱えている人が多いため、患者さんに寄り添い悩みを解決へと導く力が求められます。
美容医療の分野で働いたことがなくても就職できる場合がありますが、専門的な知識や技術が求められるため、研修制度や教育体制が整っているかチェックしましょう。
基本的な医療の知識に加え、専門的なスキルが身に付く美容クリニックは、看護師にとって魅力的な転職先といえます。
例3 一般企業へ転職し新たなキャリアが開拓できた
3つ目は一般企業へ転職し、新たなキャリアの開拓に成功したケースです。
医療現場以外で働いてみたいと考えていた看護師が、一般企業の健康管理室や産業保健の分野へ転職し、キャリアの幅を広げられたようです。
産業保健分野での看護師の仕事は、従業員の健康管理や職場環境の改善など、広範囲にわたります。
また、企業独自の福利厚生が充実していると、プライベートとのバランスがとれた働き方ができるでしょう。
企業で活躍する看護師は増えており、新たなキャリアパスとして注目されています。
例4 保育園や幼稚園などで看護師経験を活かせている
4つ目は看護師経験が、保育園や幼稚園など子育て支援の場で活かせているケースです。
保育園や幼稚園では、子どもの健康管理や衛生管理など、看護師の知識が役立ちます。
看護師の知識を活かしながら、子育て支援という新しい分野でチャレンジできる環境は魅力的です。
保育園や幼稚園への転職を検討する際は、子どもが好きで教育への興味があることが大切です。
看護師資格に加えて保育士資格を持っていると、就職に有利な場合もあるため、事前に情報収集しておきましょう。
子育て経験がある看護師であれば、看護師の知識とともに自身の経験も活かせるため、より一層やりがいを感じながら仕事ができるかもしれません。
例5 医療特化のWebライターとして自由に働けるようになった
5つ目は仕事と家庭のバランスを取りたいと考えていた看護師が、医療に特化しているWebライターとして、場所や時間に縛られずに働いているケースです。
Webライターとは、Webサイトやブログの記事を執筆したり編集したりする職業です。
在宅で働くことが多いため、仕事と家庭の両立が実現しやすいメリットがあります。
とくに執筆分野を特化しているWebライターはその分野に関する知識が豊富で、高収入を得ている人もいます。
記事を執筆するうえで、不正確な情報を発信したり誤認を招く表現を用いたりすることは許されません。
なかでも医療系の記事は人々の命や健康に関わるため、情報の正確性は厳しく問われます。
医療に関する国家資格を持っている看護師は、医療特化ライターとして活躍できる貴重な存在です。
看護師経験を別の形で活かすことで、理想的なワークライフバランスが手に入るでしょう。
自分のスキルや経験を振り返り転職を成功させよう
看護師の転職を成功させるためには、自分のスキルや経験を振り返ることが大切です。
また、給与や勤務形態、福利厚生や職場の雰囲気など、転職先に求める条件を明確にすることも欠かせません。
看護師の転職先は医療現場だけでなく、介護施設、美容クリニック、保育園、一般企業など多岐にわたります。
幅広く情報収集し、複数の選択肢を比較することで、自分に合った職場を見つけやすくなります。
転職に失敗しないよう慎重に進むことは大切ですが、新たなキャリア形成のために思い切って一歩を踏み出すことも重要です。
自分のスキルや経験を武器に、納得のいく職場を見つけられるよう、積極的に転職活動に取り組んでいきましょう。
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